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妊娠中の卵や牛乳で子どもがアレルギーになる?何個までならOK?

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妊娠中に卵を食べたり牛乳を飲んだりすることで、生まれてくる赤ちゃんが食物アレルギーになるという話を聞いたことはありませんか?

これって本当なのでしょうか?

妊娠中の食事と生まれてくる子どもの食物アレルギーとの関係についてお伝えします。

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妊娠中の卵や牛乳の摂取で子どもがアレルギーになる?

卵、牛乳、小麦は乳児の3大アレルギーとされています。アレルギーのお子さんは年々増えており、2013年の調査では、何らかの食物アレルギーがあることもの割合は、小学校で4.5%だったそうです。

つまり、30人のクラスなら1人以上、食物アレルギーのお子さんがいる計算になりますね。

食物アレルギーの原因ははっきりとわかっていません。ですが、「妊娠中のお母さんの食事で卵や牛乳を飲むことで子供がアレルギーになる」という話は聞いたことありませんか?

もし生まれてくる子どもが、自分のせいでアレルギーになってしまったら、自分を責めてしまうでしょう。実際に生まれたお子さんにアレルギーがあり、周りの人から「あなたのせいよ!」と言われ、落ち込んでしまうお母さんもいらっしゃいます。

妊娠中の卵や牛乳とアレルギー 厚生労働省の見解は?

お母さんの妊娠中の食事と生まれてくる子供のアレルギーは本当に関係があるのでしょうか?

結論から言えば、その関係性は証明されていません。

厚生労働省の見解でも、

「妊娠中、授乳中にアレルギー疾患発症予防のために食物制限を行うことは十分な根拠がないために通常勧められていない。」

と、示され、妊娠中の食事とアレルギーの発症については根拠がないとしています。

私も妊娠中の母子学級で管理栄養士さんに話を聞きましたが、「両親や家族に食物アレルギーがない限り、食物を制限はしなくていいです。むしろ、卵も牛乳も妊娠中に必要な栄養素です」と、言われました。

実際に、3大アレルゲン(卵、牛乳、小麦)をずっと控えていた妊婦さんからもアレルギーのあるお子さんはたくさん生まれています。

卵の摂取と子どもの卵アレルギー発症の関連付けはされていません。そのため、ご自身や旦那さんがアレルギーでもなければ、それほど気にする必要はないでしょう。

妊娠中の卵の摂取量は一日何個まで?毎日もOK?

妊娠中の食事とアレルギーは関係ないことを前提として、実際に妊婦さんはどのくらい卵を食べてよいのでしょうか?栄養学的に考えてみましょう。

卵はたんぱく質を豊富に含みます。たんぱく質は体の筋肉や骨を作るための重要な栄養素です。妊娠中は胎児の発育に必要とされる体たんぱく質の蓄積量を確保するために、非妊娠時よりも+10g摂取することが望ましいです。

たんぱく質の食事摂取基準(1日)

女性の18-49歳 50g
妊娠中 60g(+10g)
授乳中 70g(+20g)

たまご1個のたんぱく質含有量は、Mサイズの鶏卵1個で約6.5gです。

1日に必要なタンパク質すべてを卵で補おうとすると、9個分の卵となります。もちろん卵だけでは栄養が偏ってしまうので良くないですが、たんぱく質の量的にはそのくらい摂ってもよいことになります。

母子健康手帳に、妊娠中の食事例の紹介があります。たんぱく質は「主菜」に位置づけられ、肉・魚・卵・大豆料理が主菜となります。

母子手帳には、妊娠初期はたんぱく質を3~5つSV、妊娠中期・妊娠後期は4~6つSVを目安に摂ることが示されています。(SVとは、サービングといい、食事提供量の略になります)

SVの例

SV1つ分:冷奴、納豆、目玉焼き1個
SV2つ分:焼き魚、魚のフライ、さしみ
SV3つ分:ハンバーグステーキ、豚肉の生姜焼き、鶏肉の唐揚げ

つまり、1日の食事の中で、主菜をいくつか組み合わせ、SVの合計が妊娠初期は3~5、中期・後期は4~6になるようにしたらよいということですね。

朝食に目玉焼き(1)、昼食に鶏肉の唐揚げ(3)、夕食に冷奴(1)
=合計5つ分
朝食に納豆(1)、昼食にハンバーグ半分(3)、夕食に魚のフライ(2)
=合計6つ分

肉や魚、大豆食品などとの組み合わせも考えると、卵の適量は1日1個程度が良いと言えるのではないでしょうか。もちろん、たまにオムレツ等で2個くらい食べてその他の食事で調整するのもありだと思います。

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妊婦の食事 卵はアレルギー以外でここに注意!

妊娠中の卵の摂取では、アレルギー以外に注意点があります。それは生卵による食中毒のリスクです。

一般財団法人食品分析開発センターによると、近年食中毒事件の発生件数は減少しつつあるものの、「サルモネラ属菌」による食中毒は現在も上位に位置するそうです。

実際に、サルモネラ菌でどのくらい食中毒が落ちているのかというと、平成25年の調査では、1年間に全国で34件起きていました。特に7月~9月の発生件数が多く(34件中21件)、夏場は特に注意になります。

サルモネラ菌に感染した場合、潜伏期間は6~72時間で、症状としては急な発熱(38℃~40℃)、激しい腹痛、嘔吐、水様性下痢などが引き起こされます。

妊娠中は生卵は控えたほうが良い?

日本で流通している卵は、サルモネラ菌の洗浄されています。(農家で産みたての卵は洗浄されていないので注意が必要です)

卵を生で食べる場合は、賞味期限を確認し出来るだけ早く食べることが前提ですが、妊娠中は生卵の摂取は控えた方が良いとされています。妊婦は免疫力が下がっており、感染症などになりやすいからです。

サルモネラ菌による食中毒の発生件数は多くありませんが、妊娠中のリスクをできるだけ避けるために、生卵で食べるのは控えた方が良いですね。

まとめ

妊娠中に卵を食べても生まれてくる子供のアレルギーとは関係しません。むしろ、自分の判断で卵を避けてしまう方が、栄養面では心配です。

何事も食べ過ぎはよくないですが、神経質になり過ぎずバランスの良い食事を心がけたいですね。

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