夜中のミルク作り。
毎日のことなので、大変ですよね。
ミルクを作るためにわざわざ台所に行かなければいけませんし、眠い時は何杯入れたかわからなくなったりもします。
粉ミルクも作り置きできれば、泣いている赤ちゃんにすぐに飲ませてあげられますし、眠たいときに分量を間違うこともありません。
でも、粉ミルクって作り置きできるのか、気になりますよね?
今回は、粉ミルクの作りおきについて、必ず押さえておきたい「5つポイント」をまとめました。
粉ミルクは作り置きしてもいいの?(厚生労働省の方針)
夜中に
「あと、1時間でミルクの時間…今のうちにミルクを作っておけば少し寝られるかも…」
と、思うことってありませんか?
粉ミルクの作り置き、つまり、粉ミルクをお湯で調乳後に置いておくことはできるのでしょうか?
結論から言えば、「できる」です。
ただし、清潔な環境で作り、保管方法と時間を守れば、になります。
厚生労働省は、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業共同期間(FAO)が作成した「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」を公表しています。
こちらのガイドラインには、粉ミルクを使用する人に向けて、作り方や取扱い方法が書かれています。
調乳のポイントとして、特に重要な箇所とされていのが
○乳児用調製粉乳の調乳に当たっては、使用する湯は70℃以上を保つこと。
○調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは廃棄すること。
こちらの2点です。
それぞれ解説しますね。
なぜ70℃以上のお湯で調乳しなければいけないの?
70℃以上というのは、粉ミルクそのものや、溶かした粉ミルクに存在することがある「サカザキ菌」という細菌を不活性化できる温度が70℃以上だからです。
サカザキ菌は、特に乳幼児の髄膜炎や腸炎の発生に関係しているとされています。
とくに、1歳未満の乳幼児に感染リスクが高いとされており、その中でも生後28日未満の新生児、特に未熟児、低出生体重児、免疫障害を持つ乳幼児は、リスクが高いです。
外出時に、水筒などで調乳用のお湯を持っていくこともあると思いますが、数時間経っても70℃以上の温度が保てるかどうか?をチェックしましょう。
「調乳後2時間以内に使用しなかったミルク」とは?
ここでいう「2時間以内」は、室温環境になります。
また、一度でも赤ちゃんが口をつけてしまった飲み残しのミルクは、唾液が栄養となって細菌が繁殖してしまうので、2時間以内とか関係なく、破棄しなければいけません。
粉ミルクの作り置き いつまで飲める?常温・冷蔵で何時間まで?
ここで、粉ミルクの作り置きできる時間について、整理しましょう。
さきほどご紹介したWHO/FAOのガイドラインには、室温・冷蔵での保存時間についても記載されています。
作ったミルクの保存時間(室温の場合)
調乳後のミルクは、室温の場合「2時間以内に使用」が推奨されています。
もちろん、消毒した哺乳瓶などを使い、調乳のお湯は70℃以上のものを使ってください。
作ったミルクの保存時間(冷蔵の場合)
冷蔵の場合、5℃以下の環境であれば「24時間」保存できるとされています。
冷蔵庫から出すともちろん冷たいので、温め直してから赤ちゃんにあげましょう。
作ったけれど飲まなかった飲み残しミルクは?
作ったけれど飲まなかったミルクは、どうなのでしょうか?
これについては、赤ちゃんが哺乳瓶に口をつけたかどうか?
で、判断しましょう。
全く吸わなくても、哺乳瓶の乳首に口をつけたなら、そこから唾液が混入してしまいます。
そのため、飲み残しミルクとしてもったいないですが、捨ててください。
作ったけれど、すでに寝ていたなどで、口にもつけていないなら、作り置きとしておいておけます。
前述したとおり、室温なら2時間、5℃以下の冷蔵なら24時間以内に使いましょう。
粉ミルクの作り置き 温め直し方は?レンジはOK?
作り置きしたミルクが冷めた場合、温め直しはどうしたらよいのでしょうか?
電子レンジはどう?
まず、電子レンジでの温め直しはNGです。
部分的に温まるので、栄養素が壊れてしまったり、熱い部分を飲んでしまい、赤ちゃんがやけどしてしまう危険があります。
ミルクが冷えてしまったら、湯煎をして温め直しましょう。
ミルクの湯煎のやり方は?
湯煎と言っても、大げさな道具はいりません。
私がよく使っていたのは、大きめのマグカップ1つです。
マグカップにお湯を半分くらい注ぎ、ミルクの入った哺乳瓶をつけます。
時々、哺乳瓶を振ったりして、中のミルクを混ぜましょう。
途中で、お湯を変えたり、哺乳瓶を振ったり、手間もかかりますし。
そのため、ミルクの量が増えると、作り置きを温めるよりも、新しくミルクを作るほうが早いじゃん。ということも…
作り置き以外でミルク作りを時短する方法は?
粉ミルクは、調乳後すぐに飲ませるのが原則です。
でも、できれば作り置きしたい、という人もいるでしょう。
では、なぜミルクの作り置きをしたいのか?
他の方法では解決できないのか?
というのを、考えてもいいかもしれません。
夜中に、ミルク作りのために、寝室から出て台所まで行くのが面倒なのであれば、寝室にミルク作りセットを置いておくのもよいでしょう。
ミルクをほしがる赤ちゃんを待たせたくないとか、粉の量をよく間違えてしまうなら、あらかじめミルクの量を量っておいたり、キューブやスティックの使用が有効です。
その他、夜中のミルク作りを時短する方法をまとめましたので、こちらの記事もどうぞ。
まとめ
粉ミルクを安全に作り置きするためには、
・清潔な道具を使う
・ミルクを作る前に、手をきれいにしてから作る
・調乳に使うお湯は、70℃以上
・作ったミルクは、室温で2時間、5℃以下の冷蔵で24時間以内に使用
・冷えたミルクの温め直しは、レンジNG。湯煎する
これらのポイントをおさえて、おこないましょう。