厚生労働省によると、両親のどちらかがアトピー発症経験があると、生まれてくる子供は、56%の確率でアトピーが発症するという報告があります。
詳しくは前回の記事をどうぞ。
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アトピーが遺伝する確率は?遺伝しなかった人も?妊娠中の食事は関係ある?
スポンサーリンク 私は小さい頃にアトピーだった妊婦です。 現在でも肌が弱く、季節の変わり目には全身痒くなったり、妊娠中にも何度か皮膚科にお世話になっています。 ふと、私のアトピーがお腹の赤ちゃんに遺伝 ...
遺伝なので仕方がないのかな…と、諦めるのは早いかもですよ。
近年の研究によって妊娠中にお母さんの腸内環境を整えることで、生まれてくる子供のアトピー発症率が下がった研究報告があります。
今回は妊婦さんの腸内環境と赤ちゃんのアトピー予防についてお伝えしますね。
妊娠中のアトピー予防の鍵は腸内環境にある?
私自身、幼少期にはアトピーに悩まされてきました。
かゆくて掻いたら、親に怒られたりして…
繰り返し炎症が起きていた部分は、色素沈着してしまっている部分もあります。
成長するにつれて、症状は緩和してきましたが、今でも肌トラブルは多く…できることなら、子どもにはアトピーで悩ませたくないものです。
アトピー対策にプロバイオティクスが注目を集めている
現在、世界的に注目されているのが、プロバイオティクスの摂取による、アトピー性皮膚炎の症状改善とその予防効果です。
2001年、フィンランドのTurku大学のMarko Kalliomaki博士らの発表によって、プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の予防効果が、世界中で研究されるようになりました。
研究結果を要約すると、妊婦さんと生まれた赤ちゃんが乳酸菌を摂ったところ、アトピー性皮膚炎の発症率が約半分に下がったというものです。
腸内環境とアトピー性皮膚炎との関係
そもそも、腸内環境とアトピーには、どんな関係があるのでしょうか?
近年の研究で、アレルギーと腸内環境は密接な関係であることが分かってきました。
もともと赤ちゃんは子宮の中では無菌状態で、出産のときに狭い産道を通る際、お母さんの持っている腸内細菌を引き継ぐとされています。
その証拠に、産道を経由して生まれてくる赤ちゃんと、帝王切開で生まれてくる赤ちゃん腸内細菌の分布は全く異なります。
(帝王切開だと無菌ということではなく、医療従事者の細菌や手術器具等の細菌が付着するので、腸内細菌の種類が違うということです)
出産の仕方によって、その後の赤ちゃんの免疫機能や健康状態に影響が及ぶかもしれないということで、帝王切開の多いアメリカでは、生まれた赤ちゃんにお母さんの産道の細菌を付着させる試みも一部で始まっているそうです。
LGG乳酸菌でアトピーが予防ができる?
Marko Kalliomaki博士らの研究に話を戻しますね。
妊婦さんと赤ちゃんを対象にした研究で使用されたプロバイオティクスはLGG乳酸菌でした。
LGG乳酸菌は、正式名称を「ラクトバチルス・ラムノーサス・GG株」といいます。
LGG株は、1985年米国のゴルバッハ教授とゴルディン教授によって発見された乳酸菌で、2人の頭文字であるGGから名前が付けられました。
LGG乳酸菌の特徴は、生きたまま腸まで届き、長くとどまる性質があります。
LGG乳酸菌によってアトピーの発症率が下がった
臨床実験の内容
臨床実験の内容はこちらです。
まず、母親本人、または胎児の父親にアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息の患者が1人以上いる場合を「アトピー性疾患の発症要因あり」と定義し、胎児の母親を2つのグループに分けました。
そして、出産予定日の2~4週間前から、片方のグループにはLGG菌カプセル、もう一方のグループにはプラセボ(偽薬)を毎日服用させました。
出産後は、授乳の場合は、母親がそのまま服用を続け、人工栄養の場合は、水に溶いて子どもに与えました。
この方法で、LGG菌または、プラセボの服用を生後6ヶ月まで続け、子どもが2歳になったときのアトピー性皮膚炎の発症率について、2つのグループを比較しました。
臨床実験の結果
約2年間追跡できた132人について調べたところ、下記のような結果となりました。
LGG菌の摂取を行ったグループでは、子どものアトピー発症率が23%(64人中15人)であったのに対し、プラセボを摂取したグループでは、子どものアトピー発症率は46%(68人中31人)でした。
このほかにも数々の研究が行われています。
日本皮膚科学会の2016年版「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」によると、
プロバイオティクスの投与時期に関しては,出産後だけよりも,妊婦及び出産後の乳児に投与する方が症状の改善効果が高い傾向にある.また,probiotics の種や組み合わせによる投与がアトピー性皮膚炎の症状改善にどのような影響を及ぼすかに関しては,今後の検討課題である.
と、しています。
LGG乳酸菌が摂れるヨーグルトメーカーは?
上記の臨床実験に使用されたLGG乳酸菌、気になりますよね?
気軽に摂取できるなら、ぜひ取り入れたい妊婦さんも多いはず!
私も早速調べましたが、国内でLGG乳酸菌が取れるヨーグルトメーカーは、タカナシ乳業の1社のみです。
「ヨーグルトおなかへGG!」
タカナシ「ヨーグルト おなかへGG!」100g
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そして
「ドリンクヨーグルト おなかへGG!」
タカナシ「ドリンクヨーグルト おなかへGG!」100ml
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どちらも、特定保健用食品(いわゆる「トクホ」)を取得しています。
近所のスーパーに行ってみましたが、数件回っても取り扱いがなく…あまりメジャーなヨーグルトではないのでしょうか。。。
楽天やメーカー直販ショップで購入できますが、ヨーグルトなので賞味期限が短いんですよね。
18個セットで購入して1日1個食べようとすると、食べきる前に賞味期限が切れてしまいます。汗
もちろん冷蔵保存なので、冷蔵庫がヨーグルトに占領されるのも覚悟しなければいけません。
LGG乳酸菌のサプリメントは?
我が家の場合、ヨーグルトでの摂取は現実的ではないので、サプリメントを探しました。
タカナシからLGG乳酸菌のサプリも発売されていました。
タカナシ「生きて腸まで届く乳酸菌(顆粒タイプ)LGG乳酸菌」
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1箱30袋入りで、4,000円弱。
サプリですが、こちらも冷蔵保存なのでご注意を。
妊婦の私が選んだ乳酸菌サプリはコレ!
結局のところ乳酸菌は、合う合わないがありますよね。
それぞれの食生活や生活環境によって、腸内細菌事情は十人十色というか、 100人いれば100通りの腸内環境といわれています。
花粉症対策とかインフルエンザ対策などにいろんなヨーグルトが出ていますが、万人に効くものというのはありません。
以前、テレビで腸内環境を改善するためには、自分に合うヨーグルトを探すことが大事だと言われていました。
自分に合うヨーグルトの見分け方は、同じヨーグルトを2週間毎日食べ続けて、調子がいいか悪いかで判断していく…というとても地道なもの。
これは、腸内環境が変わっていくのに最低2週間かかるためだそうです。
すでに妊娠後期(というか臨月)だった私にとって、今更どの乳酸菌が私の中にあるかなんて試している時間はありません。
と、考えました。
そこで、アトピー関係のブロガーさんの記事も参考に、乳酸菌の種類が抜群に多いサプリを購入しました。
それが、「乳酸菌革命」です。
他の乳酸菌サプリには、1~8種類ほどの乳酸菌しか入っていないのに対して、乳酸菌革命に入っているのは、16種類!
(内、LGG乳酸菌と同じラクトバチルス属は11種類)
そして、胃酸に強い耐熱性カプセルによって、生きたままの乳酸菌が腸まで届く!
1日あたり88円ということで、ヨーグルトより安いのも◎
カプセルなので、水さえあればどこでも飲めます。
出産前後のたった数ヶ月の乳酸菌摂取で、アトピーの発症リスクが下げられるなら、こんなに手軽なことはありません。
飲みはじめて1週間が経ちました。
もともと便秘とかではないので、体調の変化はよくわかりませんが、何かしらの効果に期待して飲み続けたいと思います。