妊娠中のインフルエンザ タミフル服用の胎児への影響は大丈夫？

風邪かな？と思っていたら、インフルエンザでした！

病院でタミフルを処方されたのですが、妊娠中なので副作用が心配になりました。

妊婦のタミフル使用が推奨される理由と、副作用についてお伝えします。

妊娠中のインフルエンザ タミフルを服用してもいいの？

タミフルとは？どんな効果がある？

タミフルは、代表的なインフルエンザの治療薬（抗ウイルス薬）で、インフルエンザウイルスに感染してから48時間以内の服用で、重症化を防ぐことができます。

タミフルの飲み方は、１日２回、朝と夕方に５日間の服用が基本です。また症状が出始めてから、 48時間以内のなるべく早い時期に服用しなければ効果は薄いとされています。

タミフルの働きとしては、ウイルスの増殖を抑えて、症状を早く回復させることができます。

タミフルを飲んだらすぐに熱が下がって、治ったように感じる人もいるかもしれません。ですが、一時的に症状を抑えているだけかもしれないので、症状をぶり返さないためにも５日間飲みきることが推奨されています。

妊娠中の服用は？タミフルの添付文書には…

妊婦のタミフルの服用について、添付文書にはこのように記載があります。

5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
［妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験 (ラット) で胎盤通過性が報告されている。］

妊娠中の投与に関して、「安全性は確立していない」と書かれると、不安になってしまいますよね。薬に副作用つきものですが、妊娠中は特にデリケートな時期ですし。

タミフルによる胎児への影響は？

妊娠中に気になるのは、胎児への影響ですよね。

日本産科婦人科学会では、「妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対しての新型インフルエンザ（H1N1）感染に対する対応Q＆A　(一般の方対象)」において

2007年の米国疾病予防局ガイドラインには「抗インフルエンザ薬を投与された妊婦および出生した赤ちゃんに有害な副作用（有害事象）の報告はない」との記載があります。また、これら薬剤服用による利益は、可能性のある薬剤副作用より大きいと考えられています。催奇形性（薬が奇形の原因になること）に関して、タミフルは安全であることが最近報告されました。

と、米国のガイドラインにそって、妊娠中のインフルエンザについて、タミフルの摂取を推奨しています。

厚生労働省も「新型インフルエンザ対策（A／H1N1）妊娠中の人や授乳中の人へ」というパンフレットの中で

タミフルは胎児に悪影響を及ぼさないことが最近報告されました。リレンザも、局所で作用するため母親の血中に移行する量もごくわずかで、胎児に重大な影響を及ぼす可能性は少ないとされています。

と、発表しています。

どちらも胎児への影響よりも、インフルエンザの重症化を防ぐ方が大事との見解ですね。

妊娠中は胎児を異物として認識しないよう、免疫力が低下しています。そのため、妊娠中にインフルエンザに感染すると、重症化するリスクが妊娠していない時も上がるんですよね。

そういう理由もあって、妊娠中のタミフル摂取が推奨されているのでしょう。

インフルエンザ治療薬「リレンザ」とは？

厚生労働省のパンフレットの中で出てきた、「リレンザ」という薬について。リレンザや最近よく聞く、イナビルはどちらも吸入薬のインフルエンザ治療薬です。

その年によって「今季のウィルスは、タミフルが効きにくく、リレンザ、イナビルの方が有効」など、その年流行している型によって、効果に違いがあることがあります。

妊娠中のタミフルによる副作用は？

タミフルには副作用もあります。こちらは妊娠中に限ったことではありませんが。

タミフルの主な副作用は、腹痛、下痢、吐き気など。

私も夕食後にタミフルを飲んだ後、３時間後に吐き気を感じ、嘔吐してしまったことがあります。でも朝飲んだときは問題なかったですし、その後の服用でも嘔吐はなかったので、タミフルの副作用だったのか、インフルエンザの症状だったのかは不明です。

副作用のような症状がずっと続き、体が辛い場合はタミフルの服用をやめた方が良いこともあります。例えば、下痢や嘔吐が続いて脱水症状になってしまっては危険です。

タミフルの服用を中止する場合は医師との相談の上、ストップしましょう。

おわりに

産婦人科ではタミフルやリレンザといった、インフルエンザ治療薬が処方されることが多くなっているようです。

しかし、「妊婦に薬は…」という先生もまだまだいらっしゃるので、全ての場合で処方してもらえるとは限りません。

産婦人科を受診するときは、必ず受診前に電話で連絡を入れて下さい。他の妊婦さんとの接触を避けるためです。